ADIPについて
今、話題のAIをはじめ、自動車産業やロボティクス、創薬、教育といった幅広い領域で活用されているのが、高度で複雑なロジック半導体とそれを駆使する最先端の技術です。その中心的な役割をSoC(System-on-a-Chip)が果たしています。SoCは、システムを構築するために必要なすべてのコンポーネントを一つのシリコン基板上に統合した集積回路であり、最先端の半導体開発においては欠かせない重要な技術です。
しかし、現在の日本では、こうしたSoCを設計できるエンジニアやアーキテクトが圧倒的に不足しています。
この現状を打破するため、技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)とTenstorrent USA,Inc. は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/人材育成」の一環として、本プログラム、最先端デジタルSoC設計人材育成(ADIP: Advanced SoC Design Talent Incubation Program)を立ち上げました。
ADIPは、世界の最先端EDAツールの使いこなし方を学ぶ初級コース、実際に設計資産を用いながら設計技術を習得する中級コース、そして米国でのOJTを通じて半導体製品開発の実践的な経験を積む上級コース、の3つのコースからなります。
各コースではそれぞれ、右図のような方に合わせた講座や実習を用意しています。自身の習得したいスキルに合ったコースを選択して受講することはもちろん、順番に受講して徐々にステップアップすることも可能です。
これらのコースを通して、日本の半導体産業において即戦力となるような設計者、アーキテクトを育成し、国内の半導体産業の底上げを図ります。長く半導体産業で活躍したいという意欲のある方を、広く募集します。

関連組織について
技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)
LSTC(Leading-edge Semiconductor Technology Center)は、国内産業界とアカデミアの総力を結集するとともに、国際連携により高度デジタル社会の健全で持続的発展に貢献する研究開発を行っています。同時に、教育界・研究組織・産業界の役割分担と連携を進め、国際連携も視野に入れつつ、必要とされる半導体人財の育成も行っています。
組合員:産業技術総合研究所、理化学研究所、物質・材料研究機構、Rapidus株式会社、ソフトバンク株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、富士通株式会社
準組合員:東京大学、東北大学、東京科学大学、筑波大学、大阪大学、高エネルギー加速器研究機構、名古屋大学、北海道大学、広島大学、九州大学、国立高等専門学校機構
Tenstorrent USA, Inc.
Tenstorrent USA, Inc.は、2016年に設立された、AIの為のコンピュータシステムを開発、構築する次世代コンピューティング企業です。米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、テキサス州オースティンとシリコンバレーにオフィス、トロント、ベオグラード、東京、バンガロール、ソウルにグローバルオフィスを構えるTenstorrentには、CEOのJim Kellerを筆頭に、コンピュータアーキテクチャ、ASIC設計、先進システム、ニューラルネットワークコンパイラの分野の専門家が結集しています。